【色塗り講座】早塗りだけど綺麗に見える方法、自己流ですが公開します![肌編]

Essay|Column

こんにちは!こもとさちです。

今日もこちらのサイトにアクセスくださり、ありがとうございます!

私は、よくフルカラー広告漫画をお仕事として制作させていただいておりますが、基本的にいただく制作期間は、動画1本分の作画で1週間です。なので、結構早く作画、塗りをしないと間に合いません。

そこで、1年弱、試行錯誤した上で今やっと塗り方が落ち着きましたので記事にさせていただきます。

今回は色塗り講座と題しまして、私的塗り方ではありますが、早塗りだけど、手間をかけて塗っているように見える方法(綺麗に見える方法)をお伝えいたします^^本日は肌編です!(制作ソフトはCLIP STUDIOを使用しています)

以前お仕事させていただいた、乙女ゲームのグラフィック(スチル)イラストの制作の際に指示された塗り方をベースとしておりますので、お仕事でも使えるところがいくつかあると思います。ぜひ最後までご覧いただけましたら幸いです。

仕上がりイメージ

まず最初に仕上がりイメージを先にお伝えしておきます。それがこちら。

SNSのアイコン用に40分ぐらいで仕上げたオリジナルの女の子イラストです。

こちらを基に説明させていただきたいと思います^^

レイヤー構造【肌編】

早速ですが、レイヤー構造はこちら。

まず、肌のベースを塗ります。その時、早く塗るために

塗りつぶしツールの指定を【他レイヤーを参照】にしておきます。そして【他レイヤー参照】のオプション指定はこちら。

出来るだけ線画ぎりぎりのところまで塗れるように、領域拡縮の数値を変えています。

※私はいつも、線画をGペンのようなはっきりしたペンで描くのでこの数値にしていますが、もっと柔らかい線や薄めの線で線画を描く方は、ご自身の線画を感知してくれる数値に調節してください。

上記指定で塗りつぶしをしても、髪の際や線が複雑なところは塗りきれませんので、

このように太めのペンでガガッと塗り足します。早く塗りたいので、ざっとで大丈夫です。この上に服や髪のレイヤーが乗るので、仕上がりには影響しません。

1影の塗り方【肌編】

アニメ調の基本の塗り方にある【2影塗り】。

乙女ゲームのグラフィック(スチル)イラストの制作の際は、2影塗りを指示されておりましたが、1本の動画用漫画を1週間で仕上げないといけないのに、全ての着色に2影塗りははっきり言って無理です。(気合の入れたいコマだけ2影塗りすることはありますが)

なので、基本全て1影のみ塗ります。1影を塗った状態がこちら。

私は、基本首は全て1影で塗りつぶします。大体、顔の影が落ちているだろうと思うので、細かく塗りません。後は、髪、耳、まぶたなどに影を落とします。

顔中央の光(大きいハイライト:全体白味)【肌編】

次に顔の中央辺りに、レイヤー透明度30%で、白色のふわっとしたハイライトを入れます。

さっきの1影の説明の画像と見比べていただくと、ちょっとだけ顔の中央が白くなっていると思います。

分かりやすく光のレイヤーだけ表示するとこんな感じ。

サッと、顔の中央を、大きめのブラシでなでる感じ。一瞬でこの作業は終わらせます。

頬の色【肌編】

若い女の子や、化粧をしている大人の女性、寒くて鼻が赤くなっている子供、など、頬を少し赤らめている表現をしたい場合はこのレイヤーを追加します。無表情のときや、かっこいい男性の場合はこのレイヤーは必要ありません。

大きめのブラシでささっと描きます。私のいつも使うオレンジ寄りのピンクは、レイヤー透明度100%で使うときつく見えるので、レイヤー透明度は60%としています。

最後にハイライト【肌編】

肌塗りの最後にハイライトを加えます。

私は鼻の頭と、頬と耳のラインのみに入れています。このハイライトの入れ方はここ数年のトレンドらしいのですが、これは時代によって変わっていくことが考えられます。(ハイライトだけに限りませんが)

仕上げに線画の色を変える【肌編】

肌にかかる線画のみ、少し茶色を乗せて顔全体になじませる調整をします。

ちなみに、線画の色調整をしていないのがこちら

線画の色調整したのがこちら

線の顔への馴染み方が全然違いますよね。私はこの線画の色調整はとても重要だと思っています。

線の色調整を加えている部分はこちら

雑で申し訳ありませんが(今見て自分でも雑さにびっくりした笑)、顔のアウトラインや目、眉以外はこのように色の調整を入れています。レイヤーの透明度は60%です。

以上で肌の塗り方は終わりです。この後、最終の仕上げにグロウ効果を入れますが、それは最終仕上げの回で詳しく説明をさせていただきます。

早塗りは、手を抜いても、抜いてるように見せない技術が必要だと思う

冒頭でもお伝えしましたが、フルカラー漫画作画でいただく制作期間は、動画1本分の作画で1週間です。その一週間の内訳を詳しく説明すると、

ラフ[1日]→

ラフチェック(作業進められない)[半日から1日]→

OKでたら線画[1日]→

色域分け(全てのベースのみ先に塗ります)[半日ぐらい]→

影、ハイライトなどの仕上げ作業[2日]→

納品

という流れです。私はまだ小さい子供が2人いるので、基本的に土日祝日の昼間は制作作業ができません。なので、納期が一週間であれば平日の5日のみで、基本的には作業をすることになります。(祝日があれば、夜に作業することも)

なので、2影塗りで、1コマ1コマゲームグラフィックのように丁寧に塗る時間は無い…!けれど、クオリティは保ちたい…!だってクライアント、そして視聴者の期待を裏切りたくないから~~!という思いで約1年試行錯誤して、今の塗り方にたどり着きました。

もちろん、この1年間で自分の作業の手が早くなった実感はあるので、今回ご紹介した塗り方を試していただいても、早く塗れるようにならないよ~という方もいらっしゃると思います。

ですが、この塗り方を試しながら自分のやりやすい方法を見つけられることができれば、どんどん早く、またクオリティの高いイラストを仕上げられるようになるんじゃないかなと思います。

最後に

色塗り講座 肌編、いかがだったでしょうか?このような記事は初めての試みですので、至らない点が多々あると思いますが、これから服編、髪編もアップしていきたいと思いますので、ぜひよろしければご覧いただけましたら幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました^^

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